…って、なんの話ですか?
こんにちは、紡綺ひろかです。
妙なタイトルだなぁと思われたかもしれませんが、今日はそんなお話です(?)。
数年前、今より少し悩んでいた私のささやかな発見についてです。
まあそういう感じ方もあるよね〜というノリで、ゆるく読んでいただければ良いかなと思っております。
それではまいります。
今を無視して生きていた頃
その頃の私は、ちょうど「心の転換点」のような時期に来ていました。
自分がいかに「今」を無視して生きてきたかを痛感したのです。
次の行動はなんだっけ、この後何しないといけないんだったかな…。
このままじゃ「未来」が良くない方向に行ってしまう。
なんであんなこと言ったんだろう、なんか変な空気になっちゃったよな…もっとこうすれば良かった…。
「過去」の私は本当に嫌な奴だった。
そういった思考がへばりついていたのです。
紡綺という人間は、趣味:ブラウジングと言っても過言ではないほどWebサイトを漁りまくることがあります。
特に、何かしらの悩みがあるときはその悩み自体を検索することもあれば、あんまり関係ないけど今自分が気になってることを検索窓に入れてただ調べるだけ…という行為をやりがちです。
で、そんな中で偶然見つけたのが
「五感を大事にしよう」
というメッセージでした。
あなたの好きな香りは?好きな味はなんですか?といった質問もよく見つけました。
ところが、当時の私は何一つ答えられなかったのです。
内心愕然としました。
周囲の環境に適応しようとしすぎて、「自分がどう感じるか?」ということをまったく考えていなかったことに気付きました。
これはまずい。
そこでようやく、私は自分の感覚に注目するようになりました。
それは買わされたお菓子だった
そこからは、そういえばこのクッションの感触好きだな、温かいお茶飲んでるとき落ち着くな…と、少しずつ発見を増やしていくような日々でした。
それから少し経った日、私はお手伝いのため、とあるお祭りへと出掛けました。
かばんには貴重品と、手伝い用の道具と、知り合いから「全部売り切らないといけないから買ってほしい!」と頼まれて買ったお菓子がひとつ、入っています。
時間に余裕を持って到着したため「暇だからあのお菓子でも食べるか〜」と思い、私はかばんからお菓子を取り出しました。
なんてことはない、どこにでもあるお菓子です。
でも、久しぶりに食べるお菓子だなぁと思ったので、折角ならとゆっくり味わって食べることにしました。
最近心掛けてることだし、というノリで。
この後何する予定だっけな…といつもの癖で「未来」のことを考えながら、ぱくっ。
今に戻った瞬間
私は口に広がる柔らかくて甘い感覚に注意を向けました。
ふと思いました。
「…こんなに美味しい食べ物だったっけ?」
そのとき私が感じたのは「美味しい!嬉しい!」という気持ちでした。
その瞬間、感覚がふっと「今」に戻りました。
すっきりとした青空、お喋りしながら歩く人たち、近くで休憩中の仲間、端っこに立って無言でお菓子をかじっている私。
過去も未来もそっちのけで「今」に夢中になっていた子供の頃の感覚が、鮮明に蘇ってきました。
泣きそうになったのは内緒です。
すごく美味しかったからかもしれないし、「今」ここの景色がとても平和に見えたからなのかもしれません。
なにぶん数年前のお話なのでうろ覚えなのですが、喜びを感じたのは確かです。
おかしくなったのかと…
当時は「こんなことで感動して泣きそうになるなんて、いよいよおかしくなってしまったのか?」とも思ったのですが…笑
だって別に、超空腹だったとか、そのお菓子をどうしても食べたかったということではないんですから。
けれども、あのときの私は「今」を全身で感じていた。
それまでは、今だけに集中するのって何となく怖いなと思っていました。
先のことを考えなきゃ、過去のことを振り返らなきゃ意味がないと焦っていて、今を直視したら嫌なことまで見えてきそうで…
だから余計に、こんなに素敵な感覚だったのかと驚き、感情がいっぱい湧き出てきたのかもしれません。
今でも時々思い出すこと
その後の私が無類のお菓子好きになったとか、過去や未来に縛られなくなったとかそういうオチは全くないです。笑
しかし、今でも「この感覚すごく好きだなあ」と素直に思えたときに時折このことを思い出します。
なんというか…幸せってもっと大それたことをやったときにしか来ないものなんじゃないかって思っていたのに、ただ「味わってみよう」と決めただけであんな感動を覚えるとは思いませんでした。
特に大きな体験だとは感じていませんが、幸せとか楽しいことって実はその辺に落っこちてるんだけど、私が気付いてないだけなのかも…と思い出すきっかけにはなっていると思います。
と言いつつ、大したことないな〜と思って素通りしちゃうことばかりなんですけどね。後で気付くという。
そんなところで、「お菓子を味わった時、今に戻った」お話はおしまいにしたいと思います。
貴方にとって、何かしら良きものを提供できていれば幸いです。
それでは、また。