「本当のあなたは不完全じゃない」主人公に託した思いが溢れそうだったので書いてしまいました

創作裏話

こんにちは、紡綺ひろかです。

先日、マイペースに書いていた長編小説の最終回を投稿いたしまして、さらに「あとがき」も書きました。

そしたらちょっと気持ちが熱くなってあとがきが長くなりそうだったので、改めてここで語りまくってしまおう、と思いまして…

あんまり作者が自分の作品について語りまくるのはどうかとも思ったんですが、まあいいか!書いちゃえ!という謎の勢いで書いております。笑

あらすじを長々と説明するつもりはなく、主人公に込めた思いについてのお話を多めにするつもりですが、結局宣伝じゃねえかと自分でも思いつつ…

「完璧でない、無力な自分を受け入れる」という話を中心に展開していきたいと思います。

このサイトでは今のところ心のお話をメインにやっておりますので、そこからはあまりぶれないような内容にはなると思いますという言い訳です

それでは参ります。

「正しい人間でなければ」という性格の子

世の中の作家さんがどんなふうに主人公を決めているのかはよく知らないんですが、私は主人公の性格を決めるとき「自分と同じ部分を持ちながらも、自分とは別人」というのをすごく意識していました。

今回お話する主人公と自分とを比べると、同じ部分は割と真面目であろうとするところ、別人なのは行動的なところという感じです。

そうやって自分との共通点と相違点を意識するとキャラが立つような気がするのでそうしています。
気がするってだけです。

主人公の名前は「史花(ふみか)」といいます。

実は、このサイトのアイキャッチ等々で登場するこの子のことです。

にっこり。

史花は中学生の女の子で、とにかく真面目で手を抜かない性格として描きました。

自分の信念と照らし合わせて正しいことだと思ったら行動するのをいとわないタイプです。

そういう性格だと認識しながら彼女のことを書いていると、ときどき

「そこまで頑張らなくても…」
「真面目すぎるなあ。そんなんじゃ苦しくない?」

と突っ込みたくなることがありました。頑張らせてるのはお前だ

なぜ彼女がそれほど頑張るのか、といいますと、その根底には自分が役に立つ人間でなければここにいる資格はないという恐れがあるからです。

もっと根っこの部分では、正しい人間でなければ自分に価値はない…という思いがあります。

史花はあの物語の中では新人です。

周りは経験豊富な人ばかりで、どう頑張っても彼らのように振る舞うことはできない。

しかも、ファンタジー要素を存分に入れた作品で、彼女は普通の人間より高い能力を持っている状態にあります。

なのに自分の力で誰かを救うことはできない。

――わたしは、何もできていない。

そう感じて無力感に襲われる史花の姿を描いておりました。

物語を作って俯瞰してみたら…

無力感を投影してみた

あとがきではそんな史花をどう感じてもらえるかなー?みたいなことを書きましたが、実際、もしかしたら「見ていて苦しい」って思われる方もいるかも…と作者は想像しています。

作者は基本的に身内(キャラ)びいきなので、

「そんなことない! 史花はめっちゃ頑張り屋さん! もうそんなに苦しまなくていいよー!」

ってな感じで抱きしめたい衝動に駆られることもあるんですが…
だからそうさせてるのはお前だ

史花のような思いを抱いて苦しんでいる人って結構いるんじゃないかな?と思っています。

冷静に見たらいろんなことができるのに、できているのに、「私は何も変えられない。無力だ。役に立たない」って思って自信を失くす。

これ、私が長年抱えていた思いの一つでした。

もちろん「そんなことはない」という声があるのを知っていましたが、実感がわかなくて…。

そうは言ってもあれもこれも私の力じゃどうにもならないし、理想の自分にゃ程遠いうんぬんかんぬん……そんな声が頭の中で再生されます。

だったらその思いをすべて物語に投影してみよう。

誰かの物語として書くことで、何か新しい気付きがあるかもしれない。

そう考えている中で史花というキャラクターが生まれました。

あれ、完璧では…?

そうして彼女のことを作者という立場で俯瞰して見ていたら、気付きました。

役目にひたむきな彼女の姿って、完璧だったんです。

本人からしたら役立たずのちっぽけな存在なんでしょうけれども、彼女の存在を大切に思っている人たちがいて、ひたむきさをひそかに尊敬している人がいて…気付いていないだけで、彼女の行動は大きな力を持っていました

もちろん、彼女には短所もあります。

真面目なのは素敵ですが行き過ぎると苦しいし、新人でできることも少ないですから。

でも、そんなことがどうでもよくなるほど、彼女の一生懸命さが作者自身に刺さったのです。笑

それで、私自身も彼女に比べたらのんびりさんだしいろんなことが苦手ですが、実は気付いてないだけで完璧な存在なのでは…?と、少しは思えるようになりました。

ちなみに、完璧だから成長しないってことではなくて、

「そもそも完璧なんだから頑張りすぎなくても私は大丈夫。目指す自分になれたらもっと素敵なだけ」

という、肩の力を抜いた頑張り方にシフトできるんじゃないかなって感じです。

↑ちゃんと意図が伝わっていると良いのですが、ちょっぴり不安です。難しい。

史花のお話はフィクションなので最初から短所をなくしたっていいんですけど、もし短所なしの完璧主人公ちゃんを書いていたら、私は今でも完璧でない自分から目を背けていたんじゃないかって思っています。

不完全だと思うこともひっくるめて受け入れることで、少しだけ肩の力を抜いて歩いていけるんじゃないかな、と最終話を書き終えた今、しみじみ思っております。

そういう思いが先行してできた小説なので、流行りのものとはかなり毛色が違っているかもしれません。

未熟な文章やわかりにくい表現などがあるかもしれませんが、出てくるキャラクターひとりひとりに愛情をぐっと込めて書きました。

…と、いつの間にか宣伝感が強くなってきたのでリンク貼っときまーす!(開き直り)

変遷の月 -はじまりの守護者- 紡綺ひろか|Nolaノベル

そこにいていい、と気付いた

さて、最後にもう少しだけ史花の話を。
ゆる~いネタバレですが、たぶん今更なので気にせずいきたいと思います。笑

物語後半のほうで、彼女の相棒的な存在に「どんなお前でも見捨てない」的なことを言われて、彼女はようやくそのきつく握りしめていた手を緩めることができました。

自分で書いていて不思議だったのは「なんでそれだけで史花は楽になったのだろう…」ってことです。

(この思いついたから書いてはみたけど何故こうなったか作者さえも分からん…みたいな感覚、あるあるなんでしょうか?どうなんだろう?)

ともかく、書いてからしばらく経って読み返してみたら、なんとなく分かりました。

完璧でない自分でも「そこにいていいよ」と言ってくれる存在に気付くことができたから。

これに尽きるのだと。

彼女は「自分は役目を果たせる力を持っていないから、たくさん頑張って成果を出さないと認めてもらえない」と思っていました。

でも、そうして彼女なりに努力して必死に現実と向き合っていた姿は、その人にしっかり届いていたんです。

一方で、彼女の欠点についてもはっきりと話しています。

その上で「どんなお前でも見捨てない」という言葉を伝えたのは、彼女の良さも未熟さも両方受け入れて認めてくれる、大きな愛情があったから。

それを感じたからこそ、史花はほっとしたのかもしれません。

(※作者の見解でありますが、これが絶対というわけではないです)

こんなふうに新たな気付きがあるもんだから自分で物語を作るの楽しくて…。

不完全な自分をまっすぐに受け入れる。

そんな主人公の成長を描いている作者自身にとっても、これは一つの課題です。

だけど、受け入れば受け入れるほど心が軽やかになっていくのも事実。

私が史花たちの物語を通して気付いた多くのことが他の誰かにも届いたらいいな、と願っています。

もしよければ、一緒に彼女の旅を見守ってみませんか?

とりあえずもう一度リンク貼っときます。笑

少しでも気になったなら、ぜひ。

変遷の月 -はじまりの守護者- 紡綺ひろか|Nolaノベル
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といったところで、今回はリンク先のあとがきと同じ言葉で終わりたいと思います。

温かな世界が広がりますように。

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